akiraの個人ブログ

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大河ドラマ『太平記』を一気見したらすごい面白かった。

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「大河ドラマの「平清盛」が面白いと思ったなら面白いと思えるぜひみるといい」
あるとき友人がそう言って大河ドラマ太平記のDVDBOXを貸してくれた。
一年前のことだったと思う。
そこからちょっとだけ見てしばらく間が空いて見ないでいたのだが
呉座勇一氏の陰謀の日本中世史を読んでまた中世史熱が出てきて
勢いにのって全部見た。

大河ドラマ太平記は室町幕府を開いた足利尊氏を主人公に
鎌倉幕府末期から南北朝時代の途中までを描いている

とにかくこの大河ドラマ全編を通してキャラが濃い。濃すぎる。

わかりやす悪人はいないなぁと思った。
物語前半の鎌倉幕府倒幕の際には
長崎円喜や北条氏が悪人的に描かれてはいたんだけども
彼らには彼らの守る秩序もありそして魅力がある。

後醍醐天皇も足利尊氏もお互いがお互いを思いながらも
時代の流れやしがらみの中でやむなく対立する

戦前は忠臣として戦後は悪党としてその評価が目まぐるしく変化する楠木正成は
戦嫌いだが戦上手の気のいい河内のおっちゃんである。
武田鉄矢がキャスティングされたのははまり役だと思った
陰謀が埋めき殺伐とした劇中では楠木正成と足利尊氏のやりとりがほっこりして
だれもが望み通りに生きられない苦しさがそこにある

物語の要所で登場する流浪民の芸人一座の花夜叉一座の面々も
中世という時代の混沌を感じさせてくれる。
ましらの石、そして藤夜叉
宮沢りえがどえらい美少女でびっくりした。
いまだってそりゃ美人だけ10代の頃の宮沢りえの破壊力はすごいな
ヒロイン力高い。最後死んじゃうし。

北畠顕家役の後藤久美子も女性が男性を演じると変な色ものになりがちなんだけど
びっくりするくらいに違和感がなかった。ナイスキャスティングなのか
中世という時代設定がそうさせるのか。後藤久美子の演技もよかったんだけけど。
髪を振り乱して自決するシーンとか後藤久美子だから美しいのだけど
後藤久美子が美しいっていうより北畠顕家が美しいっておもえたくらいに見事な若武者ぶりだった。

野沢康子も科捜研の女のイメージしかなかったんだけど
足利尊氏の正室としての気品ある役がすごい

一番好きかもと思ったのは陣内智則演じる佐々木道誉だ。
登場ごとに変わる派手派手でカラフルな着物をを纏い
平気で裏切り、寝返り、いつの間にか足利のそばにいたりする
だがどこか憎めない。調子のいいキャラクターだ。

物語の終盤では観応の擾乱も描かれる。足利一族の内紛劇だ。
高師直は俗物的に描かれるが最後に改心して、しかし謀殺され
物語の始めから実直で好感の持てる尊氏の弟の直義は
次第に兄の尊氏に愛憎入り混じった感情を抱くようになる。
そこに尊氏の庶子である直冬が入り込んでいきもうドロドロ
直義の毒殺のシーンはすごい強烈だ。真に迫った演技だった。

登場人物たちが目まぐるしく裏切ったり、くっついたり、混沌の一言で
これから一体こいつらどうなっちゃうの?
とハラハラしながら最後まで見てしまう。

まあ、作中ではひたすら戦争をしている
あっちゃこっちゃで反乱は起きるし
建武の新政が始まっても不満がでて反乱は起きるし
室町幕府内部でも反乱が起きるし
味方だと思っていた人たちも平気で対立してしまうし

濃密な人間のやりとり裏切り策謀
その悲劇を味わうには大変良い作品であった。