akiraの個人ブログ

akiの個人ブログです。読んだ本の感想、めんたねでやってる心理学、カウンセリング、催眠の事とか、他にも旅行、外食、買ってよかったもの、ラノベ、アニメなど興味のあるものを書き連ねていきます。

『ど根性ガエルの娘』を読んで心がザラッとした。

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ど根性ガエルの作者である吉川やすみの娘が
吉川を中心とした家族のことを描いた
ノンフィクション漫画だ。

最初はこんな感じの話だ。

父親がど根性ガエルで若くしてヒットを飛ばしたはいいのだが
それ以降はヒット作にも恵まれず
重圧に耐えきれず時折失踪する
父親は娘や妻に対しては強気で暴力や暴言を繰り返す
というしかしそんなこともあったが今では乗り越えて仲良くやってます。みたいな話。

これで終わればよくある話なのかもしれない。

ところが巻が進むと衝撃の事実が明らかになる。

実は父親との関係は改善されてなかった。
1巻で今では関係が良好に見えていた描写も
裏では父からの暴言に悩まされ
父の顔色を見ていることに変わりがなかった。
ということが明かされる。
その上父は事故に遭い入院中という…

1巻発売当時に父と娘でインタビューを受けるのだけど
その時のやりとりを描いたところがすごい
父親の機嫌が悪くなって怒鳴り散らして娘を泣かせるのだ。

今では家族が再生してよかった体で売っている漫画のインタビューなのに

さらに母親も結構やばくて父親
腐った食べ物を娘に食べさせようとしたり
父親が娘のものを勝手に盗んだりしてるのだがそれも認めず
新興宗教に走って変な儀式はさせるわで

この家族全然問題可決してないじゃん・・・って思った

そうした現実も描いてさあこれからなのかなと思った矢先
さらに読者を裏切ってくれる

それは作者自身が夫をDVしていたという事実が明らかになる。
家族とは距離をとって折り合いがついて夫はうまくやってるみたいな描写だったのだが
実はそうではなかったという

メンタルヘルスの業界に片足突っ込んでいる身としては
冷静に見てみるとさもありなんという感じではあるけれど
作品を普通に読んでいるだけではとても想像ができなくて
そうきましたかと驚かされる

ノンフィクションの体の作品だって描く人間の裁量一つで
世界が違ってしまうのだ。だから描かれなかった事実が明らかになれば
世界は一変してしまう。
今語られていることだって本当にかどうかなんてわからない
もしかしたらという不安の中で読み進めていて
これからどうなるんだろ?
実はどうだったんだろうか?とハラハラする。
作中の登場人物たちは今だって生きている人たちなのだ。

こういう作品なので全巻読んで欲しい。
そうじゃないと醍醐味が味わえない。

現在連載中の話だと作者がDVをやっていること自覚して
さあ、カウンセリングを受けようという場面
これからどうなっていくのか今後とも目が離せない。

追記で書くとあちこちで言われているが
田中圭一氏が作者の弟、つまり吉川の息子に取材して漫画書いてるんだが
これがど根性ガエルの娘と対比的というか。
悲壮感がまるで無い。同じ出来事でも当事者が違えば受け取り方は違う。

r.gnavi.co.jp