akiraの個人ブログ

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映画「ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男」を見た。

映画「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男」を見た。
きっかけはこのブログである。

『ウィンストン・チャーチル』を観よ! | ゴー宣ネット道場

そこまで言うのなら見てみようと、既にBlu-rayがレンタルされていたので借りて見た。
凄く面白かった。

映画の概要は第二次大戦でヒトラー率いるナチスドイツに劣勢に追い込まれた英国で、ウィンストン・チャーチルが首相に就任するところから始まる。就任当初から戦線は悪化の一途を辿り、問題は山積、閣内からはドイツとの講和を推す声が強くなり、講和か抗戦かの選択を迫られる。最後は徹底抗戦の演説を議会で高らかに行い、拍手喝采の中議会を後にする。というものだった。

見る前はてっきりチャーチルの首相就任から辞職までを描くのかなと思っていたのだがそうではなく、就任から5週間あまりの短い期間を丹念に描いていた。

作品の冒頭からチャーチルの人となりが伝わってきて面白い。チャーチルが新任の女性秘書(タイピスト)を早速泣かしている。秘書を部屋に入れて早々口述手記をタイプライターでやらせるのだが、タイプライターの型が古いのか上手くいかない。チャーチルはイライラを隠しきれずに秘書に対して怒鳴りつける。恐怖に怯えた秘書は涙ながらに部屋を後にする…短期で落ち着きが無く、こりゃ嫌われるかもなぁという偏屈な老人として描かれていた。

チャーチルは人気が無い云々というのはなんとなく知識ではちらっと知っていたけども
劇中の描き方もそんな感じだった。そもそも就任のきっかけが前任のチェンバレンが議会から不信任を出され与野党の挙国一致内閣を立ち上げる必要があったのだが、与野党の調整ができるのがチャーチルだけなので仕方なくという形だった。就任前には国王からも「あの男で大丈夫か」と不安がられ、就任式での国王とのやりとりもぎくしゃくしている。

物語の前半はいろいろと上手くいってない。もともと戦局が悪化しているのだから当然ではあるのだが。周りからは就任して1ヶ月も立ってないのにもう次の首相をどうするかと考えられる始末である。

そして戦局が悪化する以上ヒトラーとの講和をするようにと外務大臣を中心に閣内から突き上げを喰らう。当初は強気に講和を否定していたチャーチルも段々と戦局の悪化をみて受け入れる手前まで来てしまう。

しかしチャーチルは受け入れなかった。
フィクションなのか史実なのかは解らないが(おそらくは創作だろうが)2つの出来事が起きる。

まずチャーチルの寝室に国王がやってくる。これまでぎくしゃくしていたやりとりをしていた国王だが、講和をせず徹底抗戦をとチャーチルに伝えるのだ。就任しただけでヒトラーを恐れさせるチャーチルにかけるという。チャーチルと国王が打ち解けて遠慮の無いやりとりをするのがとてもみていて落ち着く。

もう一つはチャーチルが地下鉄に乗り一般庶民と対話をする。物語の冒頭で自分は地下鉄にもバスにも乗ったことが無いとチャーチルが言うシーンがあるがこれは伏線だったのかと驚いた。庶民にチャーチルは講和か抗戦かと質問をするが、庶民たちは口を揃えて、子供まで徹底して戦うとチャーチルに発破をかけるのだ。映画としても胸躍る映像だったし、歴史的に見ても当時の国民のナショナリズムの強さを感じさせる話だと思った。今ではどうなるのだろう。

その後官邸だろうか?官邸のスタッフや閣外の大臣を執務室に集めて講和か抗戦かを投げかける。スタッフたちは当然抗戦だと同じくチャーチルに発破をかける。

これをうけたチャーチルは物語の最後で徹底抗戦の演説をして物語は終わる。

僕が右というのもあるのだけど、王や庶民やそうした人たちの後押しを受けて挙国一致になってナショナリズムの強さを見せつけるという国のあり方がなかなか爽快であるなと感じてしまった。これ位の覚悟が無ければ戦争はできないよなぁとも思った。

5週間という短い期間を描いた映画だが、チャーチルという人の人となりが凄く丁寧に描かれてきて、皮膚感覚でチャーチルを理解できる映画だったと思う。秘書や妻とのやりとり、偏屈で短気なところもあるし、就任当初の強気さも、戦局の悪化とともに弱気になっていく。ルーズベルトに支援要請をする電話も中立法を理由に断わられ苦虫をかみつぶしたような顔が実にリアルだ。常にウィスキーと葉巻をたしなみ、眼光鋭く歩き回る姿なんかも再現度が高くて凄い。

メイキング映像を見たのだがチャーチル役のゲイリー・オールドマンが出てきたときは本当に驚いた。
特殊メイクってすごいね。ただ特殊メイクだけでは無くて、歩き方とか、葉巻の吸い方とか日常の動作も堂に入ってて本当にチャーチルが居るみたいだったので役者の演技も凄いと思う。

余談にではあるが、劇場でみた「ダンケルク」の別側面の話としても見ることができる。就任からの5週間はひたすらダンケルク撤退戦の話をしていたので。裏側ではこんなことがあったんだなぁと思うとなかなか感慨深い。

更に余談を加えると、作中に出てくる国王陛下のジョージ6世なのだが、台詞が止まったり詰まったりするのに気がつくと思う。実はジョージ6世は吃音がある。この吃音を克服するためにカウンセラーと二人三脚で頑張るお話が「英国王のスピーチ」だ。これも大変面白かったのを思いだした。

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