akiraの個人ブログ

akiの個人ブログです。読んだ本の感想、めんたねでやってる心理学、カウンセリング、催眠の事とか、他にも旅行、外食、買ってよかったもの、ラノベ、アニメなど興味のあるものを書き連ねていきます。

【書評・感想】リボーンの棋士 


『3月のライオン』や『りゅうおうのおしごと!』など将棋を題材にした漫画やラノベが増えている。『3月のライオン』や『りゅうおうのおしごと!』も好きで読んでいるが、どちらの作品も主人公は中学生でプロデビューを果たした天才だ。作中では当然主人公の挫折や葛藤を描くわけだけど、あくまでも圧倒的な才能の持ち主の物語である。

作中では別のキャラを出して主人公との才能を対比させたりもする。何が言いたいかといえば輝く人間の裏では数多の輝けなかった人間がいて、そんな人間の物語が『このリボーンの棋士』という漫画だ。

主人公は元奨励会員で3段リーグに在籍していたが、年齢制限にかかり退会する。以後3年間は将棋に一切触れずにフリーターをしていた。あるとき、バイト先の同僚に騙される形で将棋のイベントに参加する。そこでかつて奨励会で戦った相手がプロ棋士として指導対局をする、対局の中で奨励会時代にはなかった楽しんで将棋を指すことを再確認してアマチュア棋戦に参戦していく。

主人公を取り巻く人々にも物語がある。
話が進む中で、主人公と同じく年齢制限で退会したかつての奨励会員と再開してともに研究会を開いたり、奨励会に入りたかったが、親の反対で入れずアマ棋戦からプロ棋士編入を目指すアマチュアの強豪が出てきたりする。

主人公は奨励会時代は守るための負けないための戦いだったのが、失うものがないと開き直り、将棋を指すことの楽しさを再確認していく。

そこから新手や自由な発想を編み出していく、そしてその編み出した戦法が研究会で一緒になったプロ棋士に使われたりなどする。

何者にもなれず、将棋に費やしてきて20代後半になる主人公だが、それでも楽しさと情熱をもって物事に取り組んでいて、そうした感覚でいられる対象があるのはとても幸せそうに見えて、それがとても読んでいて好感が持てるところだ。


かつての奨励会時代の同期がタイトルホルダーになっているなど、まだ2巻のみの刊行なので話が展開する直前ではあるが、今後の展開がすごく楽しみな作品だ。

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