akiraの個人ブログ

akiの個人ブログです。読んだ本の感想、めんたねでやってる心理学、カウンセリング、催眠の事とか、他にも旅行、外食、買ってよかったもの、ラノベ、アニメなど興味のあるものを書き連ねていきます。

コードギアス 亡国のアキトを見た。

復活のルルーシュをみた勢いでこちらも一気に見てしまった。とにかく面白かった。
時系列的に言えばテレビアニメ1期と2期の間の話で、本編では描かれなかったブリタニアとEUの戦争を描いた話。元日本人のアキトとEUの軍人のレイラを中心に話が進む。

冒頭から欧州戦線の泥臭さ、苛烈さが描かれる。民主制をとるEUでは兵士の戦士を極力避けるために元日本人のイレブンのみで構成した部隊を前線に立たせる。しかも自爆特攻をさせる。戦果を挙げた場合は部隊所属の日本人の家族にEUの市民権を与えるというえげつない設定である。EUは対ブリタニアへの配慮で戦争が始まってからEU内にいる日本人をゲットーに強制収用もしている。結局冒頭の日本人部隊はただ一人の残して全滅する。残った一人が主人公のヒュウガ・アキトだ。

実はアキトには生き別れの兄がいて、その兄はブリタニアで貴族の養子なっていて、兄弟で戦場でまみえることになる。兄はギアス能力者で「愛する者に絶対遵守の命令を下すギアス」をもっていて、ギアスを使って家族を皆殺しにしている。

あと、レイラがかわいい。ほんとかわいい。優秀な軍人で、凛としているけど世間知らずで抜けているとこもありという感じのキャラクターだ。作中ではジャンヌダルクになぞらえられることもあるが、坂本真綾が演じていて、FGOのジャンヌも連想してしまった。

欧州大陸ならではの描写も魅力的だった。森林での地上戦や籠城戦でナイトメアが戦う。本編ではなかなかみられない泥臭さを感じる戦闘描写がよかった。
戦闘シーンはCGをつかった演出でこちらも本編にはないこの作品独自のものでこれもまたよい。ジャズ調のトランペットやピアノをベースにした落ち着いた感じのBGMもマッチしていてとてもよいものだった。

EUの問題点もよく描かれていた。衆愚制に堕していると皇帝シャルルは言っていたが、戦時下であっても大衆の意向を気にして思い切った策に出られない上層部。その割に大衆を馬鹿にするスノビズムも見えたりする。夜な夜なパーティを開き、薄暗いパリの街でにぎやかに盛り上がったりなど、あのあたりの描写は大変面白いものだった。ちゃんと場面でEUの実態を見せてくれている。

作品全体の雰囲気も映画作品ならではというか、本編シリーズにはないゆったりした間がある。ギアスの三部作や復活のルルーシュは詰め込んで駆け足の感があったけども、亡国のアキトは数年かけてじっくり作ったのもあるのか、作品の中のメリハリがしっかりしていて、そこも面白かった。

物語中盤では長距離移動砲を利用したナイトメアの大気圏外からの降下作戦があってこれもみていて興奮するものだった。大量破壊兵器や航空技術系ではまだコードギアス世界内では未発達でこうした技術をめぐる大国間の争いも見ものだった。

ルルーシュやスザクもちょいちょい登場していた。記憶を書き換えられた直後で、皇帝直属の軍師としてEUに派遣されるのだが書き換えられた記憶と実際の自分の祖語に気が付いて時折記憶が戻ったり、幼児対抗してスザクに親しげに話しかけたりしていた。その時のスザクの顔が厳しい。

本編では触れられなかったが本作ではユーロブリタニアというで独自性をもったブリタニアの勢力が存在することがわかる。ちょっと調べてみたがブリタニア皇室はイングランド王室につかえていた貴族が祖となっていて、ヨーロッパを追われた貴族が新大陸に逃げて作られたのがブリタニアだという。ユーロブリタニアの勢力はその時に追われた貴族の末裔で、彼らにとって欧州戦線は祖先の土地を奪還するということになる。

それ故に、皇帝シャルル主導のブリタニアの侵略とはちがって、自らの土地という意識が強いのか非人道的な無差別攻撃はしない、また騎士道精神が強調されていて、戦略よりも矜持が優先されるきらいがある描写だった。本国との温度差も描かれていて面白い。

コードギアスというシリーズ全体の根幹にかかわる設定がこの作品ではわかる。時空管理者、集合的無意識が人の形をもって登場する。作品の合間合間に突然現れて正体もよくわからないままに消える。

作品からわかるのは、現実世界に物理的干渉はできないということと、人類にギアスを与えたが、与えてもダメそうだから滅ぼしたほうがいいのか迷っているみたいなことを言っていて、ギアスシリーズが広がって展開される予感を感じさせる。

物語の後半ではこの時空管理者によって時間遡行をすることになるのだが、ギアスに時間移動の能力がある描写なんかも復活のルルーシュにつながる描写だなと思った。