akiraの個人ブログ

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選挙で投票をしようと思ったが、誰に入れたらいいかわからない友人を手伝った話

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8月のツイートした、このツイートのスレッドがちょっとだけRTされていた。友人が選挙の投票先をどう選んだらいいかわからなくて、相談された時の話である。今回このツイートを元に記事を書きたい。

きっかけは8月の半ばに友人からDMが来たことだった。友人は横浜市に住んでいるのだが、今度横浜市長選挙があると。しかし選び方がわからないので、選ぶのを手伝ってほしいという相談だった。僕のところに相談が来たのは仲間内でも政治の話をよくしていたからだという。

何を手伝えばいいのかと聞いてみると、まず友人は選挙公報を見てみたという

横浜市長選挙(候補者情報・選挙公報)(令和3年8月22日執行) 横浜市

ここをみてみたのだが、よくわからない。選挙であるのでここから一人選ばないといけないのだが、何をしたらいいのかわからない状態だという。

正直この話を聞くとなかなか新鮮だと思った。

友人はこれまで政治には全く関心はなかったという。投票をしてみようと思ったのはこのコロナ禍で、働いている人たちをみて、まじめに政治について考えないといけないなと思ったとのこと。この横浜市長選は衆院選を見据えて投票の練習をしてみたいということだった。そのことは大変素晴らしいことだと思ったし、それならばなおのこと力になろうとは思った。

それはそれとして、何が新鮮なのかというと、まず選挙公報からみて候補者を選ぼうというところからだった。たしかにそれは王道だと思う。別に間違っちゃいない。だけども選挙公報のHPは情報量がすごく少ない。

そもそも政治に関心があると、選挙公報に書いてあるレベルのことは自明のことであるしわざわざ見に行かない。それよりも政治家のHPとか新聞記事とか国会議員レベルとか有力な地方自治体の首長だったら書籍とか記事にたくさんなっているし、最近はYoutubeなんかやってたりして、情報が勝手に集積されていく。そもそも普段テレビのニュースをみているだけでも関心があれば向こうから情報がやってきて、無意識に選び取って自分の中に蓄積されていく。

友人の選挙公報を見て何をしたらいいかわからなくなったという相談を受けて、そう言えば僕は無意識レベルで上記のような情報収集をやっていたなと気がついて、それが面白かった。当たり前すぎて気がつかないのだ。

友人との相談の話に戻るが、まず2点アドバイスをした。

①あなたが重視したい政策はなにか?を考えてみる
②候補者はそれぞれWebサイトを作っているはずなので見に行って公約が書いてあると思うからそれをみる

そうすると、サイトを見てみた友人から「厳しいな」という連絡が来た。友人曰く、「まず読みづらい、読んでもわかる気がしない、政策が現実的なのかがわからない、そもそもこんなわかりづらいサイトを作ってる人が有能だと思えない」ということだった。

なるほど...と思った。これは実際にサイトが分かりにくい問題もあるし、そもそも政治家の公約をどの点で見ておけばいいのかとか、その辺の経験値の問題もあるなと思った。

助け舟として補助線になると思い、今回の横浜市長選ではIR誘致が目玉の争点になっているようだから、その辺を軸に見てみるのは一つ手だよと伝えた。

そう伝えると「まずIRという単語がわからない。無限にわからない単語が出てきて終わる気がしない」と返ってきた。

一定以上わからないことが出てきてしまうと、全部がわからなくなって投げ出してしまう感じというのはあるかも。もっと丁寧にわかるところとわからないところを振り分けたりするのも一定レベルの知識がないと難しい。全くわからない分野の文章を読んでいるのだから無理もないとは思った。

とりあえず、IR誘致に関してはわかりやすくまとまった記事のリンクを伝えたり、横浜市長選の勢力図やそれぞれIRについてどう考えているかを解説した記事も一緒に伝えて考えてもらうことにした。こういう情報は「横浜市長選 争点」と簡単に検索をかけるだけでもいい感じの分かりやすい解説記事はでてくるからとも伝えて。

しかしこういうことも何からしたらいいかわからないと発想に出てこないんだろうと思った。何かを調べるにしても暗黙知というのはある。

さて、もろもろの情報を伝えると、友人は「そもそも横浜についてこうなってほしいなぁというのがない、(横浜は)住所があって寝るところくらいという関心しかない」と言った。案外こういうことに気がつけるだけでもすごい大事なことなのかもしれない。今は関心はないけれどそこから関心を見つけることもできるし、本当に関心がなければそれはそれでアリだと思った。

僕は本当に関心がないならば、入れないという選択肢もあるかもしれないということは伝えた。本当は棄権は誉められたことじゃないのかもしれないけど、今回は友人の投票先を手伝うということなのでそういう選択肢もあると提示してみる意味はあると思った。実はもう少し狙いもあって、こういう投げかけをすると案外友人が持っている関心が活性化されるというのもあったのだ。

実際に投げかけてみると友人は先述のように「コロナで働いている人見て真面目に考えたいので選んでみる」ということを言った。

さらに補助線として、今回の横浜市長選が菅首相(当時)にとっては重要な選挙で、菅首相の側近である小此木氏が大臣を辞めてわざわざ出馬している。また支持する政党で投票先を決めるのも手だということは伝えた。

友人からは政党も考えたけど全員無所属だったと言われたので、確かにそれはそうなんだけど公認はしてなくても、推薦していることは多いのでその情報を元に見ればいいと伝えた。

しかし伝えて気がつくが選挙公報には所属政党は書かれていない。全員無所属で出ているからだ。しかし政党のバックアップがある候補者というのは確実にいる。それがとても分かりにくいのだ。

ここでもなるほどと思った。僕は地方自治体の政治家が無所属で出たところで、推薦している政党があるんだから、あんまり意味ないのではと思ったんだけど、本当に政治に関心のない層にはその辺の事情が認知されないんだなと。

ともかく友人にはどの政党が誰を支援しているのかが分かりやすく解説してある記事を教えた。

記事を伝えても「わかりにくい。政治に興味がないので各政党もよくわからない」という感想だった。

そんな感じで選ぶのに苦労していたが、本人なりに重視する視点が出てきたようだった。「分かりやすいサイトを作っていて、解像度の低い画像を使っておらず、20代〜40代を優遇してくれていて、かわいそうな子供を減らしてくれる、サブカルを潰さない、あたりが政治に求めるもの」と連絡が来た。「この辺の条件を満たしていて、拮抗している人が複数いたら女性にしようかな、あとなるべく若い人70代とかでは体力的に厳しいのでは?荒川弘が描くような、露骨に元気な超人おじいちゃん/おばあちゃんだったら別にいいけど」とかなり具体的な話になってきて、とてもいい感じだと思った。

最後には「なんとか選べそう」という連絡も来ていい仕事をしたと思った。

しかし今回の友人の相談を受けて政治に関する教育とか色々と考えてしまった。僕などは中学生の頃からその辺の関心があって、自然に蓄積されていった暗黙知などがあったから、無意識に投票先を選ぶならこうすればいいと自動的に動けるが、全く関心のない状態だと何から手をつけていいかわからず途方に暮れてしまう、あるいは情報に触ろうともしないという状態になるのは無理もないと思った。

でもそういう人でも補助線を出しながら対話の中で本人の関心を喚起するような、なげかけをすることで最終的に自分で考えて投票先を選ぶことができるということも実際に見ることができた。これはいい経験だったと思う。

先日の衆院選の際にはその友人からは相談の連絡がなかったのでおそらく自分で選んで投票したのだと思う。そうであれば僕としても幸いだ。

また僕は僕で政治的立場や支持政党、支持する政治家政策はあったけど、今回の相談では僕の立場は一切出すことはしなかった。誘導がされてしまうからだ。伝える情報もできる限り最小限にして本人が考えるきっかけや機会を持てるようにという視点で伝えるようにした。それも良かったのではないかと思っている。

この記事がなにか政治に関して考えるきっかけになればいいと思っている。