▲練習会の会場の写真です
ここ数か月、月に1度の頻度で仲間内でカウンセリングの練習会をやっている。友人が声を上げてできた練習会で最初は時折乗る形で参加してたが最近では僕が主導的になって開いている。
参加者はめんたねというカウンセリングや催眠をやる集まりの受講生や関係者が主になる。最近では今すぐやる会に参加している人も被験者(相談者)役で参加してくれるようになった。
練習会の効用としてはワークショップと違って講師役の目がない分自由自在にやれることだと思う。講師の目があるとどうしても無意識レベルでも肩肘を張ってしまって試行錯誤が上手にできないということがよくある。
練習なので変なプレッシャーから解放されると失敗への心理的負担が減る。
実は失敗への負担が減って失敗してもいいと思うと案外失敗しなかったりする。
カウンセリングで大事な要因はいろいろとあるが、僕はまずカウンセラーが心の余裕を持つことだと思っている。心の余裕がないと相談者の些細な変化や言動に注目することができない。自分ことに目が行ってしまう。
実際にやってみて気が付いたことだ。
更には自分で声をかけて集めてカウンセリングをやって感謝をされると、何度も繰り返しているうちに場数を踏んでいるので実際にお金をもらってやるカウンセリングにもいい効果が出てくる。やっぱり自転車にのったり泳ぎを覚えたりと同じでこういう技術は理屈でなく何度もやっていくうちにうまくなっていく。場数を踏む環境を知らずうちに作っていたが、やってよかったと思う。
さて、最近この練習会で僕が力を入れて取り組んでいるのがフォーカシングという技術だ。
一言でいうと体を通して自分の心が何を感じているかを気が付けるようになる技術だ。
悩み事が深い人ほど、自分の悩みに向き合うのはつらい。そこで自分の心を守るために人は悩みを自覚しないようにしておしこめることをやる。どんな悩みであれまず自覚しないことには解決の糸口が見えない。しかし自覚といっても自覚するのがつらいから見ないようにしているものを言葉や思考だけで自覚できるようにするのはとても難しい。そこで体を使う。人が喜怒哀楽の感情を感じるとき体の感覚とセットになっている。感情は体感覚に言葉をあてたものといってもいいかもしれない。だが、人間は言葉を使うようになってから、言葉が発展しすぎて体を置き去りにしてしまうことをやりがちである。だからまず体の感覚を丁寧にさぐることをやってもらう。
一人でもできる技術だが、初めのうちは誘導者の援助の下で行う。
まず楽な姿勢をとる。
目をつぶってもらうことが多いが、つぶるのが嫌ならばそれでも良い。
楽な状態で、「今気なっていること」を自由に思い浮かべてもらう。
いくつも出てきたらひとつひとつ数えてみて確認して脇に置いてもらう。
その中から最終的に一つ気になることを取り扱う。
これをフェルトセンスという。
フェルトセンスを思い浮かべた時に、体の感覚を答えてもらう。
この体の感覚も人によってそれぞれだ。
おなかのあたりで感じたり、頭の奥で感じたり、胸のあたりでなど。イマジネーションが豊かな人だと映像になったり、物体のようになったり、心象風景のような表現をしたりする。ある程度は自由にやってもらって本人の感覚を取り戻すのが肝だ。
この技術がいいのは誘導する側もやりやすいことだ。
イメージしてもらうのも感じてもらうのもクライアント被験者の人で、こちらは簡単な誘導を型どおりにやればある程度のことはできる。
それでも慣れないうちは動揺してしまって、その動揺が被験者に伝わってうまくいかないこともあるが。だが、何度か繰り返せばうまくなるし、催眠誘導に近いことをやっているが催眠誘導に比べたら誘導する側もされる側もハードルが低いと思う。
その上実際にやってみると被験者が自分なりの答えや結論を持って帰ってくれることが多い。こちらとしてはあまりいじらずに自由にのびのびやれる環境を設定すればいい。被験者の自主性を引出し、メンタルの自己治癒能力を引っ張るいい訓練になる。
なぜ僕がフォーカシングに力を入れているかというと、今すぐやる会で計画中の1年コースのカリキュラムに導入しようと考えているからだ。
タスク管理・スケジュール管理のワークショップでなぜと思われるかもしれないが実はタスク管理にはメンタル的な要素が大きく影響する。ちまたにあふれるタスク管理本を読むと確かにいいことが書いてあるしその通りに実践できれば成果が上がるものばかりだ。似たり寄ったりの内容も多い。それでも、定期的に売れるし、似たような本が出てくるのはわかっていてもできない人が多いからだと思う。
理屈はわかるし問題があるのも自覚してるができないという人はメンタルからのアプローチがきくと思う。何かをしなければいけない、できていない自分がダメだと強く思い込むことで本来自分がやりたいことやすでにできていることや実はやりたくないのにやらなければいけないと思わされているということに気が付けなくなっている。
タスク管理の技術は技術でとても大事だ。だがそれだけではうまくいかない。逆に自分の感情に気が付くことができると事前に気を付けてコントロールしたり、ダメージを減らすこともできる。そのための導入としてフォーカシングは効果的である。今すぐやる会のワークでも導入する予定なので興味のある人は声をかけてほしい。
興味を持った方はこの本から読み始めることをお勧めする。イラストも多くフォーカシングの手順がわかりやすく書いてある。
誠信書房
売り上げランキング: 68,847