油條(ヨウティヤオ)をご存知だろうか?簡単に言うと中国版の揚げパンである。
日本の揚げパンはコッペパンを素上げするが油條は生の生地をそのまま油で揚げる。日本の揚げパンよりも油が生地に入り込んでサクサクとした食感が強いものだ。中国では朝ごはんとしてよく食べられる。そのまま食べたり、豆乳につけたり、お粥の上に刻んだ油條をクルトンのように載せたりする。
油條自体を売ってるお店がそもそも少ない。売ってるところでも作り置きしてある冷めたものが多く、本場の台湾や中国でも作り置きのものが多い。
しかし揚げたものなのだから揚げたてが一番うまいのだ。そんな揚げたての油條を出してくれるお店が東京の亀戸にあった。先日偶然友人に教えてもらったので早速行ってみた。
亀戸駅北口から少し歩いて裏通りの商店街に入るとお店はあった。
外観からしていい意味でボロい。本場の雰囲気を感じる。今回亀戸に裏通りを歩いてみて気が付いたのだが中国系のお店が結構増えていた。
店内はテーブルが2つほどあり、あとはカウンターがあるだけでそれほど広くはない。お客の大半は中国人だった。半ば中国系の住人のコミュニティの場になっているのか壁には求人や不動産の広告も貼ってあった。
カウンターの前に張り出されている手書きのメニューも中国語だ。日本のお店なのに中国に来たかのような雰囲気がある。
おそるおそるカウンター奥のおかみさんに声をかけてみると、「ニーハオ」と中国語で挨拶してくれたあとに日本語で「何が欲しいですか?」と話してくれた。日本語が通じて助かった。
今回は油條と豆乳と豆腐花を注文した。全部で600円。注文して数分で出てきた。思った以上に油條が大きく軽食にしては結構ボリューミーだと思う。
基本このお店はセルフサービスでカウンターまで取りに行く仕組みだ。カウンターには刻んだザーサイや香醋(中国の黒酢)やラー油が置いてあって自分で自由にかけて食べる。僕は油條は甘くした豆乳につけて食べるのが好きなのだが、店内にいた別のお客さんは香醋をかけて食べたりしていた。
早速テーブル上にあった砂糖を3杯ほど豆乳に入れて、熱々の油條を豆乳に浸して食べた。
うまい。うますぎる。揚げたてて熱々で香ばしい香りとカラッと揚がったサクサクした食感がたまらない。甘くした豆乳とよく合うのだ。こってりした油條とあっさりた豆乳のバランスがちょうどいい。
豆腐花(豆花、トンファともいう)は日本で言うところのおぼろ豆腐のようなもので、豆腐よりもゆるい食感だ。このお店の豆腐花はあんかけがかかっていて塩気のある味付けだが、スイーツとしても食べられている。素朴な味わいでするする入ってくる。これも美味しい。
急いでいたのもあったがあっという間に完食してしまった。素朴な味わいで毎日でも食べたいそんな味である。揚げたての油條が買える店は珍しいのかわざわざ油條を大量に買いに来る中国人のお客さんも多いようだ。味はもちろんだが店内の雰囲気も現地にすごく近いので、中国気分を味わってみたい方にはオススメのお店である。
店舗情報
一品軒
営業時間:11時頃~19時頃
住所:東京都江東区亀戸5-21-13